期待以上の森だった初冬の小網代の森散策
三浦半島の「小網代の森」へ行ってきたのですが、「こんな所にこんな森が!?」と驚くほどの場所でした。
事前情報では「干潟」とか「アカテガニ」といった単語だけ見聞きしていた状態だったので、もっと海っぽい所を想像していたのですが、「森」。しかも深い。期待していた以上に面白い所です。
最近の三崎は、暖か・暑い時季は混雑が激しすぎるので、あえて寒い時季に行ってみたのですが、静かな森歩きができて楽しかったです。
小網代の森はこんな所
小網代の森(こあじろのもり)は、神奈川県の三浦半島にある小さな森です。
小さいけど、ただの森じゃないんです。「浦の川」という川の流域がすべて、この小網代の森の中に収まっているんです。
どういうことかというと、川の始まりの部分(源流)から終わりの部分(河口)までが、まるっとこの森の中にあるんです。しかも、本流も支流も全部。
森の奥に湧き出た川水が、森をぬけて、湿地をとおり、干潟をへて、海に流れ込む。川の旅が、小網代の森の中で楽しめるんです。
本流も支流も含めて源流から河口まで自然の状態で残っているのは、関東地方ではここだけとされています。
そして、小網代の森を象徴するアカテガニ。
このカニは、海だけでなく陸も生息域としていて、森がないと生きていけません。アカテガニが生息しているということは、海だけじゃなくて流域の自然が残されている証なんです。
これが小網代の森です。実はすごい森なのだった!知らなかった~。
では行きます
ではでは、小網代の森へまいりましょう。
駐車情報
三浦半島までは、車です。
小網代の森近くには駐車場がないので、京急電鉄の三崎口駅に隣接するコインパーキングに止めました(2時間を超えて止めるなら、タイムズよりNPCのが100円安かったです)。
油壺の方にも有料駐車場はありますが、三崎口駅に止めると、小網代の森を源流側から楽しめるのでオススメ!「河口から遡上したい~」なら、油壺に駐車ですね。
三崎口駅からは、てくてく徒歩で。
バスもあるけど、小網代の森の分岐までは徒歩で約20~25分なので、三浦の風景を眺めながら歩くのも楽しいです。ずっと歩道があるし。
参考までに、季節によってはバスや車道が激混みします。GW・海の日・SWとか、天気がいい休日は、ほんとありえんくらい混みます。お気をつけくだされ。すごいから。
引橋入口から行きます
国道134号を歩いて行って、引橋あたりで西に折れます。案内板があったので、迷子になることはなかったです。てくてくてくーと坂を下っていくと、小網代の森の引橋入口に着きます。
▽ 森の全体図はこんなです。
引橋入口から、浦の川に沿って小網代湾に下っていくコースを行きます。
▽ 入口。
この先、木道がある部分と、土の部分と、半々か木道が多いくらいで、歩きやすくて快適です。
▽ すぐに源流の森へ入ります。
木々がうっそうとしています。すぐ海に着くと思いこんでいたので、予想以上に距離があって驚きました。「あれ、海じゃなかったの?」って。歩道の横を、小川が流れています。写真に写ってないですが。
森林浴を楽しみながら歩くと、徐々に植生が変化します。
だんだんと湿地の植物が増えてきます。
ところで、小網代にかぎらず、湿地の水に油のような被膜が浮いていることってありませんか?▽こんなふうに。
あれ、前々から「なんだろう?だれか油を流した?」と疑問に思っていたのですが、地中の鉄分を餌にするバクテリアに由来する酸化鉄の薄い膜で、油ではないんだそうです。解説板に書いてありました。勉強になります。
そして、芦原をぬけて海へ。
カニは…いなかったです。案内板を読んだら、アカテガニは冬場は冬眠するそうで。カニを見たい場合は、暖かい時季の、干潮の時に行くのがいいみたい。
本日のおひるごはん
えのきテラスが舞台のようになっていて、ここでおひるごはんにすることにしました。(小網代の森の中には、ベンチや東屋といった施設はありませんでした。休憩するとしたら、えのきテラスがいいと思いますが、夏場は日陰があるのかどうだか)。
本日のおひるごはんは充麦のパンです。
おいしいパン屋は数多あれど、この世で一番を決めろと言われたら、私は迷わず充麦を選びます。今日三崎に来たのも、実は充麦でパンを買うのが目的だったりします。
三崎口駅から小網代の森とは逆方向にあるので、電車利用の方は立ち寄りづらいですが、行く甲斐のあるパン屋です。
森を眺めながら、充麦のパン!しあわせ。
寒さ対策でカップスープも用意したのですが、あってよかった~(森の中は火気厳禁なので、お湯は水筒で持って行きましょう)。
▽よこみち情報▽
“三浦パン屋 充麦”のために三崎へ行くのだ《神奈川県三浦》 - よこみち歩き
▽充麦公式サイト▽
三浦パン屋 充麦
散策再開
腹ごしらえをしたら、散策の続きです。
宮ノ前峠を越えて
宮ノ前峠入口へ行ってみることにしました。
▽峠から振り返った写真。
途中の白髭神社にあった手水鉢は、ビーナスが出てきそう。さすが海辺の神社です。
さらに先(油壺方面)へ行くと小網代湾が見渡せるので、時間があるなら足を延ばしてみるといいですよ。
宮ノ前峠入口を出たところに、きれいな公衆便所がありました。今のところ森の近辺では、お手洗いはここしかないようです。
帰り道
当初の予定では、北尾根入口から国道に出て駅へ戻るつもりでいたのですが、中央の谷の雰囲気が素晴らしかったので、来た道を戻ることにしました。
復路も、森を堪能しました。ほんとうに、何度歩いても楽しめそうな森です。
国道に出たら、来た道を駅まで歩いて戻ります。駅近くで河津桜が数輪咲いていました。12月上旬の暖かさにだまされたのでしょうか。
今日は4時間弱の行程でした。
安全運転で帰ります。じゃ。