梅雨の晴れ間に丹沢 高松山で静かな山歩き
ふとカレンダーを見て、「そろそろ梅雨も明けるかなぁ…ということは、夏山シーズン到来!?」と気づいてしまった私。
ここしばらく、不調があったりして山らしい山を歩いていません。
今年こそ久しぶりにアルプス縦走でもしたいですが、今のままでは夢のまた夢です。
このままではいかん…
天気予報をみると、ちょうど仕事がない日に太陽マークがついています。でも、午後から急な雷雨なんて言ってます。
あれこれ迷って、駅から歩いて登れる高松山へ行くことにしました。
高松山はこんな山
高松山は、神奈川県の丹沢山地の南部に位置する標高801mの山です。
丹沢というと、丹沢山や塔ノ岳、大山あたりが有名どころかと思いますが、それらが集まる山塊からは離れたエリアにあります。
山頂からは、小田原や相模湾、そして富士山を望むことができます。標高が低いこともあって夏場のハイカーは少ないようですが、冬場の晴れた日には、富士景色を求めるハイカーでにぎわうようです。
今回のコースは、かつては麓の集落から集落をつなぐ道として使われていたようで、道の途中には江戸時代に建てられた石仏も見られ、古道の雰囲気を感じられます。
では行きます
この時期に高松山へ行く人は少なそうですが、静かな山歩きができそうなので、気にせずまいりましょう。
今回のルート
JR東山北駅~高松山入口~ビリ堂~高松山~尺里峠~高松山入口~JR東山北駅
公共交通機関を利用した周回コースです。
交通情報
今回は公共交通機関で行きます。
ガイドブックには、小田急の新松田駅(JR松田駅)からバスとあったのですが、地図を見るとJRの東山北駅から歩けそうです。
JRで行くので、バスの時刻を気にせずにすむJR御殿場線の東山北駅から行くことにしました。
小田急線を使う人は、新松田駅からバスで高松山入口へ行ったほうが便利かもしれません。
JR御殿場線の山北駅からも、高松山入口へ行くバスが出ているようです。
東山北駅は無人駅で、近くにコンビニも見当たらなかったので、行動食などの用意はしてきたほうがいいですね。
まずは…トイレ
何はともあれ足しておきたい用。東山北駅は無人駅でなーんにもなさそうと心配したのですが、ちゃんとありました。
高松山とは逆方向に少し行くと、きれいな公衆便所があります。
きれいなんだけど、個室内に荷物をかけるフックがないのが不便でした。
今回のルートは、何ヵ所か(高速道路の高架下、尺里峠など)にトイレが設置してあって、特に女性には助かります。
この先、高松山入口までは幹線道路沿いを歩いたのですが、とにかく車の交通量が多いです。大型トラックがばんばん通って、歩くのには楽しいとは言えない道でした。なので写真もなし。
東山北駅から高松山入口まで歩くなら、御殿場線の西側の道を歩いて、途中で高架下をくぐって行くルートがいいかもしれません。
高松山入口はこちら
高松山入口のバス停には、ちょうど10時に到着です。進行方向に向かって、矢印看板が分かりやすく出ていました。
後ろのタカナシ看板もいい感じ。
登山口は、新東名高速道路の工事があるため、従来の登山口より先に変更されていました。
里山の景色を眺めながら、立派な車道をゆるゆると登ります。
この里山の景色も、新東名ができると変わってしまうのかしら。どうなんでしょう。
ようやく登山口にたどり着きました。
ちょっとピンボケ。
高速道路工事のガードマンさんに「気をつけて」と声をかけてもらい、先へ進みます。ここから先は、しばらく果樹園ぽい急傾斜の舗装路を行きます。梅の実がコロコロところがっていたり、柑橘系の実が小さい実をつけていたり。
みかんかな?柚子かな?なんでしょう?
つづら折りの道を登る途中々々で振り返ると、来た道や東名高速道路が見えます。
期間限定?の休憩所
農道を登りきると、ようやく登山道と言いたいところですが…
ここも工事中で、あらまあという眺めです。
ずっとこんな道なのかなと思いながら柵の横を登ると…なんとビックリ足場で組んだ展望台のようなものがあり、休憩所の看板が出ています。
新東名高速道路の工事をしているからでしょうね。
せっかくなので登ってみると、こんな掲示が。
こんな大人数で登らないでしょう。どっから持ってきたという画像に、思わず写真を撮ってしまいました。
そして…ナイスビュー!
足場組むだけのことはありますね。農道の途中から見えた景色もよかったですが、ここが一番いい眺めです。
こんもりとした丸山の奥に箱根の山、左手には小田原の市街地の先に相模湾が見えます。
登っておいて損はない休憩所でした。
足元には人口芝みたいなマットも敷かれていて、お金かけてるな新東名。
ようやく山道に
休憩所を過ぎると、ようやく山道になります。
日陰もあって、ほっと一息。
たぶんキブシの実。房になっていてぶどうみたい。
なんて油断していると、思っていたより急登の道に。なんだか体が重いんですけど。体重は増えていないんだけど、ちゃんと山歩きをしていない成果(罰?)が出ますね。
途中、植林の木立の間の道を行きます。
清々しいほどに真っすぐな木々。だけど、花粉の時期に来るのは覚悟が必要かも。
登山道は、ほとんど木々に囲まれていて日陰があるので、汗がぽたぽたということもなく、思ったより暑くなかったです。
それでもじわじわ汗はかくので、適宜給水しながら進みます。
ようやくビリ堂
ようやくビリ堂に到着です。
ここに立ててあった案内板によると、ビリ堂の名前の由来は一番最後(ビリ)にある観音堂のためとのことでした。どこから見てビリなのでしょうね。
ところで、ビリ堂に祀られている石仏は、馬頭観音さまです。近づいてよく見ると…
馬が頭に乗っかっています。おとぼけ顔の馬面が、なんとも愛嬌があります。
馬頭観音は、道中の安全を見守ってくれる観音さま。今回の登山道は、昔の人たちも生活の中で使っていた道です。この馬頭観音は、江戸時代から人々の旅道中を見守っています。
登山道に馬頭観音が祀られていると、その道はたいてい昔の人も使っていた道です。そういう視点で石仏を見てみると、山歩きも違う楽しみ方ができますね。
さ、ビリ堂の丸太の腰かけで一休みしたら、山頂を目指しましょう。おなかが空いてきました。早くごはんにしたいのよ。
ここから山頂まではのんびり尾根歩きができるかと思いきや…
どどーんと急登現る。しかも階段。
無心で登ります。
このまま山頂まで階段なのかな…と思いながらも登って行くと、いつの間にか階段は終わりました。よかった。
階段でなくなったのはよいのだけど、道がけっこう派手に崩れていました。
気をつけていないと、道を見失いそうです。踏み跡と赤テープを探しながら、慎重に歩きます。
このあたりは、前から崩れやすい道のようなので、大雨の後などは特に注意して行ったほうがいいです。
急登を登りきると、尾根道に出ます。緑のトンネル。
ここまで来たら、山頂はもうすぐです。
なんの花でしょう?じめっとした梅雨の季節に、爽やかな白い花がきれいです。
と、最後の尾根登りをゆるりと楽しんでいると…
木々に囲まれた登山道を抜け、広々とした気持ちの良い山頂に到着です。
ちょうど12時。おなかがすきました。
本日のおひるごはん
午後から雷雨という天気予報を聞いていたので、さっそくお昼ごはんにします。
天気がよければ後ろに富士山がどどーんと見えるらしいですが、梅雨の合間の登山で富士山は期待していなかったので、特に気にせず、むしろ日射しが強くなくて休憩するにはちょうどよし。
ところで、山食の定番カップヌードルではありますが、個人的にはほとんど山で食べることはありません。
だって塩が。塩分が。飲み干すとかなにそれ。
と思っているのですが、イベントでもらったので、たまには山でカップヌードルしてみようかなと思って持ってきました。
久しぶりの山カップヌードル。3分待ってズルズルっとすすると…おいしいですね。山食の鉄板だけありますな。
食塩相当量4.9gってやばいよねと思いながらも、あっという間に完食。おいしゅうございました。
食後にはもちろん甘いもの。
カルビーのおさつビーとコーヒー。
おさつビーは、フライドさつまいものようなお菓子なのですが、サクサクでこれまたうまし。サクサクとまりません。
塩分不使用なのも、カップヌードルとの組み合わせにはぴったりです(原材料がさつまいも・植物油のシンプルさ)。
コーヒーはドリップしました。せっかくの低山ハイクなので、このあたりはしっかり楽しみたいところ。
雨になる気配もないので、広々とした景色を味わいながらのんびり。
山頂には他に1組お客さんがいただけ。こんな時期に低山に来る人は少ないよね。
おかけでゆっくりできました。
そろそろ下山を
電車の時間もあるので、名残惜しいですが下山します。
足元を見ると花が。
この時期も花が楽しめる山です。
植林地帯にはお決まりの看板。
こういう看板は、看板ごとに個性があって楽しい。
下山路も植林だったり自然林だったりが続き、展望はほとんどなくて、どんどん下って行きます。
真弓ヶ丘まで来た時に、木から糸でぷらりと垂れる虫がたくさんいる箇所があり、気づかずに踏み込んでしまって、うきゃーとなりました。
そこからしばらく、木の枝を振り回しながら歩くことになります。
尺里峠に
それほどしないうちに、尺里峠に着きました。
簡易トイレがありました。
ところで、尺里はひさりと読むそうです。読めないですよね。
長い舗装道路歩き
ここから先は、舗装道路です。
道端には桑の木が多くあり、ちょうど実りの季節を迎えていました。
鈴なりです。
続く舗装路。
だんだん飽きてきました。
舗装道路に出てからがけっこう長く、こういう時、話し相手がいると助かりますね。一人だと超ひま。考え事をするにはいいけれど、それにもほどがあります。
高松の集落に続く車道に出ると、ときどき車が通るようになりますが、向こうも歩行者がいると思っていないのか、けっこう速度を出して来るので注意が必要です。こわい。
下ってくるとホタルブクロ。
こんな季節になりましたか。
滝もありました。
山ゆりの滝と書いたなかなか立派な札が立っていましたが、どのあたりが山ゆりなのか分かりませんでした。
単調な道なので、こんな滝でも「おぉ滝か」なんて思ったりします。
さらにひたすら下ると、東名高速道路の工事現場に出ます。
これから先、どのように景色が変わっていくのでしょうか。
このすぐ先で、朝に通った登山口の分岐と合流します。
行きにも会ったガードマンさんから「お疲れさまです」と声をかけられました。はい、疲れました。
長かった舗装歩きも終わりが見えてきました。
高松山入口へ戻る
高松山入口のバス停にようやく到着です。
今日は4時間40分の行程。お昼の休憩などをのぞくと、ちょうどコースタイム通りでしょうか。
この時期でも高松山は花も咲いて、思いのほか暑すぎず、楽しい山歩きができました。
山頂は眺望がいいので、真夏の直射日光を避ければ、いつ来ても楽しめそうです。
ヤマレコでヒル情報があったのですが、私は遭遇しませんでした。数日雨が降っていなかったからか、警戒して長靴下を履いて行ったからか。
ヒルは本当にいやなので、遭遇しなくて何よりです。
高松山入口からは、JRの東山北駅へ徒歩で向かいます。じゃ。