神秘の湖 鎌倉湖(散在ガ池)からアルプスを横切って鎌倉へ
鎌倉にね、「神秘の湖」があるんですよ。「いざ鎌倉」の鎌倉に。
その名も「鎌倉湖」。
神秘の湖かどうかは賛否あるかと思いますけど、鎌倉湖を管理する公園協会のパンフレットにそう書いてあったので使ってみました。
個人的には幼少の頃から何度も行っていて好きな所です。
お正月早々に高熱で寝込んだりして弱々に弱った体のリハビリがてら、久しぶりの鎌倉湖畔で亥年の初歩きを素敵に決めてこようと思ったのですが、グダグダな初散歩になりました。
今年一年グダグダになるのでしょうか。
鎌倉湖(散在ガ池)はこんな所
鎌倉湖という呼び名は通称で、公式名称は「散在ガ池(さんざがいけ)」です。*1古くは「散在池(さんざいけ)」と呼ばれていたようです。*2
いつ・なぜ鎌倉湖と呼ばれるようになったのかは定かではありません。
しかし、昭和40年代のガイドブックでは、鎌倉湖を取り囲むように造成された今泉台住宅地を鎌倉湖畔団地として紹介しています。この今泉台住宅地への道が「鎌倉湖畔通り」と称されていたり、江ノ電バスの停留所に「鎌倉湖畔」があることから、私見では、住宅地の開発に合わせてお洒落っぽい「鎌倉湖」の名称が使われるようになったのかなと推測してます。根拠はありません。
何にしても、私は子どもの頃から「鎌倉湖」と呼んでいて、このブログを書くにあたって「散在ガ池」が公称と知ったくらい鎌倉湖のほうが馴染みがあります。
「さんざがいけ」は噛みそうで言えない!
なので、このブログでは鎌倉湖でいきます。
鎌倉湖は、池と周囲の山が散在ガ池森林公園として管理されています。
開園時間は、8:30~17:15。閉園日は、年末年始(12/29~1/3)。お役所ですね。
散策路が整備されていて、湖の周囲(2.4km)をぐるっと一周することができます。
近くまで宅地が迫っているのですが、公園は森と山に囲まれて住宅は見えず、物静かな雰囲気に包まれています。鳥の囀りやタイワンリスががさごそする音が聞こえるくらいです。
鎌倉と言っても、鎌倉アルプスの尾根より北側にあり、「鎌倉市内にある池」であって鎌倉からはちょっと外れる場所にあります。
しかし、鎌倉湖から住宅地を抜けて鎌倉アルプスに取り付くこともできるので、組み合わせ次第で色々な楽しみ方ができます。
では行きます
ではでは、鎌倉湖へまいりましょう。
今回は、鎌倉湖畔歩きをしてから鎌倉アルプスを越え、鎌倉へ行きます。鎌倉が付きすぎて訳が分からなくなりますね。
交通情報
今回は電車です。鎌倉近辺に行く時は、公共交通機関を利用した方が便利だと思います。
JR大船駅で下車します。
大船駅は、東海道線・横須賀線・根岸線・湘南モノレールが乗り入れていて便利な駅です。エキナカや駅外、商店街が充実していて、うっかりするとここで道草をたっぷり食うことになります。お気をつけ。
行く時間によっては、ここで行動食やお弁当を買うという手もあります。大船名物、大船軒の鯵の押寿しとかね。
大船駅から、江ノ電バスに乗ります。
乗り場は、湘南モノレール大船駅の下にある「大船駅東口交通広場」です。「大船駅東口」という乗り場もあって紛らわしいので要注意です。
ここから、鎌倉湖畔循環か地蔵前行きのバスに乗ります。バスは10分毎に出ていました。
下車は「今泉不動」です。不案内な方は、バスに乗る時に運転手さんに停まるか確認すると安心ですね。
大船駅から今泉不動まで、約20分です。
▽江ノ電バスのサイト▽
路線バス|江ノ電バス | 江ノ島電鉄株式会社
実はルートロスした
実は今回、大船駅から鎌倉湖まで歩いてみようと思ったのですよ。
ところが、まさかのルートロス!というか、単なる迷子?
鎌倉湖へは、これまでバスでしか行ったことがなかったのですが、尾根伝いに歩いて行けるという情報があって、開拓してみようと思ったのです。
ところが、尾根の取り付き口が見つからず…。
岩瀬の大長寺の裏手から、横浜市との境の尾根に上がれるらしいのですが、入り口が分かりませんでした。畑に阻まれました。
仕方がないので車道を行きましたが、途中、歩道がなくて狭いのに車の往来が多い道もあり、くたびれました。車道歩きはオススメできないですね。途中でバスに乗ろうかと思いながらも意地で歩きましたが、バスに乗ったほうが安全です。
蝋梅や水仙が咲いていたのが、せめてもの救い。
でも尾根道は再挑戦したいです。
今泉不動のバス停から
あたかもバスに乗ったような雰囲気で、バス停写真▽
今泉不動で下車します。
この先を右折して、鎌倉湖畔通りを行きます。
蓼科や軽井沢にでもありそうな名前の通りですが、特に何があるわけでもない道です。
坂道を登ると、すぐに散在ガ池森林公園の入り口(北口)に着きます。
年季が入った門ですね。
すぐに分岐があり、せせらぎの小径を行くことにします。
木道箇所もあります▽
公園として管理されているだけあって、案内看板が随所に設置されています。
せせらぎの小径は、鎌倉(三浦)の渓谷の雰囲気を手軽に感じられます。
鎌倉湖に到着です
公園の入り口から300mくらいなので、10分もかからずに鎌倉湖に到着です。あっと言う間。
ほとんど人がおらず、とても静かです。神秘と言っても大げさには感じられないくらい、しんとした雰囲気です。
今回はグダグダながらも駅から歩いたので歩数を稼ぎましたが、バスを使うと散歩にならないくらい簡単に、この静けさの中に入ることができます。
湖畔には管理棟があり、ジュースの自販機やトイレが利用できます。休憩所はありません。
鎌倉湖には鯉がいて、子どもの頃は管理棟から鯉に餌をやるのが楽しみで来ていたのですが、今は水質保全のために餌やりが禁止になってしまいました。残念。
しかし、この看板は健在!▽
マムシに噛まれたら毒を吸い出す!
鎌倉湖のハイライト。いまだ色あせていないということは、何度も塗り直されているのでしょうか。ぜひ文化財として守り続けてほしいです。
本日のおやつ
鎌倉湖畔でおやつタイムです。オシャレっぽい響き!
湖畔にはテーブルやベンチがあって湖(池だけど)を望んで休憩できるので、ここでおやつにします。
本日のおやつは、佐々木製菓の三色せんべいとコーヒー。
せんべいは、年末の岩手スキー旅行のおみやげです。卵やマーガリンを使ったクッキータイプですが、一般的なクッキー(ムーンライトとか)よりもさくさくしていて、とてもおいしいです。
岩手で南部せんべいを買いたかったのですが、青森産のものしか見つからず、仕方がないのでクッキー風味のこちらにしたのですが、おいしかったので買って正解でした。
コーヒーはアンデルセン(パン屋)のもの。ヘタなコーヒー屋のコーヒーよりおいしいです。
ベンチで休んでいると後ろの木のあたりでがさごそ音がするので、カラスか大き目の鳥かなと思ったのですが、どうやらタイワンリスだったよう。餌をねだりに来たりはしないですが、ずっとがさごそ音がしていました。
再開しましょう
風もなく、ついのんびりしてしまいましたが、鎌倉を目指さねばなりません。行きますよ。
馬の背の小径へ
鎌倉湖畔はぐるりと一周できますが、今回は一周せずに逆の門(南口)から出て鎌倉アルプスへ行きます。
よくよく考えると、いつも鎌倉湖からアルプスへ行ってしまうので、鎌倉湖を一周したことってないかも…。次の課題だ。
南口までの道は馬の背の小径にすることにしました。
本当に馬の背状の尾根道で、意外にアップダウンがあります。あなどれません。
途中、富士山が見えるという箇所があるのですが、曇り空の日で見えませんでした。
でも、住宅地をがすぐそこなのがよくわかりますね。
南口から住宅地を抜けて鎌倉アルプス登山口へ
鎌倉湖から鎌倉アルプスの登山口まで住宅地を通るので、慣れないと迷子になりそうです。またしてもルートロスか!?
森林公園の南口を出たら右に折れます(左からでも行けます)。
南口から右に行った場合、左手に緑道が出てくるので、そこをまっすぐ進みます。途中にバス停「半僧坊下」がありますが、そのまままっすぐ。
山裾に突き当たったら左に折れ、少し行くと右に曲がって入る道があります。
この道の先に今泉台六丁目公園があります。そこが鎌倉アルプスの登山口です。
登山口というと大げさだけど、無事にたどりつくことができました。
この登山口から登りはじめると、すぐに天園ハイキングコースに合流します。
ここから、天園へ行くか、建長寺へ行くか、はたまは別の道へ行くか、気分次第で選べます。
鎌倉湖から来た時は建長寺へ抜けるのが私の定番ですが、今日は別の道にします。
覚園寺へ下る前に百八やぐら群を見学
今回は鎌倉アルプスの尾根歩きはせずに、横切って覚園寺へ下ります。やる気なし!だってリハビリですからね。
下る前に、この分岐点をちょっと行ったところに百八やぐら群という史跡があるようなので、立ち寄ってみることに。
覚園寺方面へほんの少し行くと、左に細い杣道があるので、そこをぐいっと登ります。
知らないと道だとは思わないくらい細い踏み跡です。私も今回初めて行きます。
すると忽然と現れる岩屋▽
中には、お地蔵様や五輪塔などが安置されています。この岩屋が、ずっと先まで続いています。鎌倉らしい雰囲気を感じられるので、興味のある方はぜひ寄り道を。
あとは下るだけ
史跡見物をしたら、覚園寺方面へ下るだけ。この道はずっと下り基調で、落ち葉を踏みながら鼻歌交じりに歩けます。
至る所でがさごそ音がしていて、犯人はタイワンリス。ここにもあそこにも。
ここにも▽
前はこんなにいなかったので、相当数が増えているのが実感されます。
鼻歌は歌ってないけど、あっという間に覚園寺登山口に到着です。
覚園寺は鎌倉時代に創建されたお寺です。以前、鎌倉アルプス帰りに拝観しましたが、ご本尊の薬師如来像や十二神将立像のほか、本堂なども立派で見ごたえがありました。ちょうど紫陽花の時期だったのもよかったです。
秋は紅葉がきれいだそうです。
拝観時間が決まっていて、お坊さんが案内してくださるので、見どころが分かるのもいいですよ。
帰り道
帰り道は、覚園寺とは逆方向に500mほど下っていくと鎌倉宮があり、そこから鎌倉駅までのバスが出ています。
鎌倉宮から鎌倉駅までは、歩くと30分程度。途中に神社やお店もあるので、ぶらぶら歩くのも楽しいです。車が多いので、くれぐれも気をつけて。鎌倉の車は結構スピード出しますから。
今日は3時間ちょっとの行程でした。長めの休憩込みだけど。
おなかが空いたので、どこか寄り道して帰りたいと思います。じゃ。
*1:「さんざいがいけ」としている記事を見かけることがありますが、池を管理する鎌倉市は「さんざがいけ」と呼んでいます。
*2:参照: 鎌倉市/散在ガ池森林公園の紹介